階上岳

階上岳山頂

三陸ジオパーク「階上岳」です。

トレイルルートは海から離れ、階上岳山頂へ向かいます。
階上岳部分は登山ですが、そこに至るまでの道は平坦で、かなりの距離があるのにトイレなども何もないとのことなのでショートカットし、登山をメインにして、他は時間の許す限りトレイルルートを歩く予定です。
しかし、午後から悪天候の予報で、朝から既に小雨も降り始めています。
仕方なく八合目の大開平駐車場まで車で向かい、そこから山頂を目指すというショートバージョンに変更です。

ヤマツツジが駐車場から出迎えてくれました。

ヤマツツジ
ヤマツツジ

大開平です。

階上岳の説明がありました。
『標高740mの階上岳は、海岸から一段高い台地の上になだらかな稜線が盛り上がった丘陵状の山で、その形が牛が寝そべっているように見えることから、別名「臥牛山(がぎゅうさん)」と呼ばれています。
頂上まで複数の登山道が整備されており、東側に太平洋、北側は八戸市街地、南側には北上山脈の景色を眺める事が出来ます。
大開平付近には約2万本のヤマツツジが群生し、見頃を迎える5月下旬から6月中旬は辺りが朱色に染まります。』

正に朱色に染まった景色が見えました!
天気はイマイチではありますが、良い時季に来れたことに感謝です。

階上岳の説明
階上岳大開平からの景色
階上岳 やまつつじ群落の説明

木村靄村歌碑がありました。
「乳呑ます牛のまなこにふるさとの山はさかさまに映りてゐにけり」
昭和47年10月29日建立です。

木村靄村歌碑

裏には木村靄村の説明がありました。
『歌人木村靄村は明治三十二年階上村鳥屋部に生る。
八戸市に於て木村書店を創業し、かたはら短歌に心を寄せアララギに入会。島木赤彦、斎藤茂吉に師事。歌道に精進すること四十余年。誠実素朴の歌風は世の知る䖏となり昭和三十七年青森県文化賞を受け更に独自の境地を深めつつありしか昭和四十一年二月長逝す。茲に有志相謀り生誕の地而も詩心諷詠の源泉たりし階上岳に歌碑を建立し永くその華香を伝へんとするものなり。昭和四十七年十月靄村の歌碑を建てる会会長藤井負藏、協賛、八戸市文化協会、青森県歌人懇話会、八戸アララギ会、暁星短歌会、臥牛会、階上村。八戸市番地石材製作』

まさか、こんなところで島木赤彦の名前が出てくるとは…
ちょっと親戚だったりします(笑)
もうちょっときちんと写真を撮るべきでした。

木村靄村歌碑 裏面

階上獄大明神の鳥居をくぐって、階上岳山頂を目指します。
山頂までは約30分です。

階上獄大明神 鳥居

山道にはタチツボスミレ、ツボスミレ、マイヅルソウ、スイカズラ、ヤマアジサイなどの花が咲いていました。
苦しい登山も、キレイな花が見えるとテンション上がるんですよね~。
今回は全く苦しくない登山ですが(笑)

タチツボスミレ
ツボスミレ
マイヅルソウ
スイカズラ

ヤマアジサイ

登山道は緑で溢れていました。
きっと天気が良ければ、とても気持ち良く歩けたことでしょう。
でも、この木のおかげで多少雨が凌げたので、雨は雨でも良かったのかな?

階上岳 登山道

赤い鳥居が見えて来ました。
嶽大明神です。

獄大明神 鳥居

東北地方で広く信仰される山の神・狩猟の神「御蒼前」、「不動明王」、「多聞天」、山の神の総元締めとされる「大山祇」、「十六尊」、白神山地に結びつき、山の神・自然神として祀られる「白神」、「八代龍神」、「権現様」が祀られているらしいですが、8つしか無いのでは?
「嶽大明神」「不動明王」「大明神」の文字しか読み取れないです。

嶽大明神

階上岳(臥牛山)山頂 一等三角点もありました。

三角点には一等~四等までの階級があり、一等は最上位です。
日本列島全体の「大枠」を測るために設置され、そこから二等・三等へと位置が決められていきます。
一等三角点同士は平均45kmほど離れており、非常に高精度な測量機器と厳しい観測条件で測定されました。
最終的には一等から四等まで、どの三角点も相対精度は約10cmに統一されています。
一等三角点は日本全国に約973点、設置されています。

階上岳(臥牛山)山頂 一等三角点

階上岳山頂です。
山頂からは八甲田連峰や北上山地だけでなく、八戸市街や、昨日歩いた蕪島、葦毛崎展望台、種差天然芝生地も見えるそうなのですが…残念。

案内板には以下のように書かれていました。
『階上岳は山全体が一つの「大きな岩(花崗閃緑岩。地下深くでマグマが固まった岩)」でできています。
この「大きな岩」は「恐竜が歩き回る時代(前期白亜紀、約1億2千万年前)」に地下深く(地下5km)で大量のマグマがゆっくりと固まった岩です。
周りの岩よりも軽いので徐々に浮かび上がり地表へと現れ山となりました。
階上岳の大きな岩は「ごま塩のおにぎり」のような岩肌です。
触るとザラザラし、崩れてバラバラになった白い粒・黒い粒(マグマの成分である鉱物が固まった結晶。
石英、長石、黒雲母、角閃石)を岩の下や登山道、沢の川底などでよく見かけます。』

階上岳山頂
階上岳 山頂の説明


階上岳山頂から南へ約100mほど下りた場所には「龍神水」と呼ばれる湧水があります。
山形県鶴岡市の善宝寺にある龍神の分身といわれ、雨と水の神で、日和乞いや雨乞い、地鎮や風鎮、豊作加護、悪魔払いに信仰されてきました。
水の少ない山頂付近に湧き出る珍しい名水なんだそうですが、雨が段々強くなって来たので寄らずに駐車場へ戻ります。
ちなみに「飲料水ではありません」と書かれた看板があるそうです。
名水なのに…

ヤマドリゼンマイ
オシダ

登りとは違うルートで下山すると、ヤマドリゼンマイ、オシダ、ニリンソウ、オオヤマオダマキが咲いていました。

ニリンソウ
オオヤマオダマキ

コンロウソウとシラネアオイも咲いていました。
シラネアオイは珍しいみたいで…登山道から少し入ったところに咲いていたので、恐らく写真を撮るためでしょう。
本来、立ち入ってはいけない場所に踏み荒らされた道が出来ていました。
登山道からMAX拡大して撮った写真がコレです。
もっと近くから撮りたい(見たい)気持ちはわかるのですが、マナーは守って欲しいと思いました。

コンロウソウ
シラネアオイ

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