町田啓太が出るって事で○十年ぶりに大河ドラマを見た結果、それまで全く顔が覚えられなかった吉沢亮に興味を持ち、近く(世田谷パブリックシアター)で舞台をやるんだと知り、北村匠海も見てみたかったし…なんてノリで当日券(前日券?)が取れたので行ってみました。
申し訳ないくらいの超ミーハーです
イギリスの劇作家フィリップ・リドリーが2005年に書き下ろし、2015年に演出:白井晃、主演:高橋一生・瀬戸康史でシアタートラムで日本初上演した作品の再演とのこと。
1時間半前に来るようにあったので行ったみたら、既にかなりの列。
一応整理券の順番に並んだけれど、よくわかっていない人などもいてちょっと混乱気味でした。
私の2人前までは3階の補助席で座れる席だったけど、1階立ち見に。でも、3階よりかなり近くで観れたので、むしろこっちの方がラッキー
それに2時間くらい立ってるのなんて楽勝!とか思っていたのですが…
正直、話の内容が重く、ずっと張り詰めた空気の中で観客は誰一人身動きもせず、ただただ圧倒されるばかりで…
終わった時には疲労感でいっぱいでした。
【キャスト】
エリオット:吉沢亮
ダレン:北村匠海
ナズ:小日向星一
ローラ:宮崎秋人
スピンクス:加治将樹
姫:大空ゆうひ
パーティーゲスト:水橋研二
パーティープレゼント:山﨑光
【ストーリー(公式)】
ボロボロの部屋に兄弟がやって来る。
パーティの準備にかかるが、そこに1人の男が突然顔を出し、「バタフライ」が欲しいので手伝うと言う。
しばらくするとローラと呼ばれる美しい人物が現れる。
そしてもう1人、このパーティの首謀者らしき男と謎の婦人がやって来る。
彼らはパーティのためにそれぞれの役割を、異常なほどの饒舌な会話を交わしながら行う。
やがて、パーティゲストがやってきて、パーティプレゼントが用意されるのだが、パーティプレゼントの異変により、パーティは思わぬ展開に…
この公式ストーリーを読むだけでは、こんなにも衝撃的な内容だとは…
*ここからはネタバレです。
とある集合住宅にエリオットとダレン兄弟がやって来る。
エリオットは「バタフライ」という薬物の売人で、弟のダレンはその薬物の中毒者。
パーティー会場に最適なボロボロの部屋を見つけた2人はパーティーの準備にとりかかる。
そこにナズという男が突然顔を出し、「バタフライ」欲しさにパーティーの準備を手伝い始める。
このナズには母親を殺された過去があり、その過去が語られたり、ダレンが様々な色の「バタフライ」の話しをしたりするうちに、ダレンとナズはどんどん仲良くなっていく。
しばらくするとローラと呼ばれる美しい人物が現れる。
このローラはエリオットの恋人で、エリオットとの出会いも明かされていく…
エリオットが足を引きずっているのとダレンの頭の怪我が父親の暴力によるもので、父親は暴力を働いたあとに焼身自殺をしていた。
その怪我の治療で入院していた病院でエリオットがローラと知り合い、そのおかげで病院で暴動が起きた時にローラの兄であるスピンクスに助けられたことなど、衝撃的な内容がケネディ大統領暗殺事件などの歴史的事件も交えて語られていきます。
実はこの時、ダレンはエリオットに一度見捨てられていたことをのちスピンクスによって暴露されるのだが、そのシーンもキツイ…
そこへ、このパーティの首謀者であるスピンクスと姫がやって来る。
姫も薬物中毒者で、実はエリオットとダレンの実の母。
そして姫も2人と一緒に暴力を受けていた被害者で、病院からスピンクスに助け出される。
スピンクスはそんな姫のことを愛しており、以降ずっと精神的に不安定な姫の面倒を見ている。
彼らはパーティのためにそれぞれの役割を、異常なほどの饒舌な会話を交わしながら行う。
「ものすごく愛してる」
ここでのエリオットとダレンのやり取りであるこのフレーズが、後々重くのしかかって来ます。
スピンクスがパーティープレゼントを連れて来る。
ローラがパーティープレゼントに化粧をし、パーティーのコンセプトである「ベトナム戦争中に捕えられた”金色の衣装に身を包んだエルヴィスプレスリー”の格好をしたスパイ」に仕立て上げる。
そしてローラはパーティー会場を立ち去る。
ローラが立ち去るのには理由がある。
それはパーティーの内容が…
やがてパーティーゲストがやって来るが、元々病気だったパーティープレゼントはパーティーが始まる前に死んでしまう。
パーティープレゼントが亡くなって途方に暮れていたところに、具合が悪くなった姫の面倒を看るために退出していたナズが戻って来る。
スピンクスはナズをパーティープレゼントにしようとする。
ダレンとナズは状況を理解出来ないが、すぐに察知したエリオットはダレンの友達だからと阻止しようとする。
しかし、スピンクスにはどうしてもパーティーゲストから聞き出さなければならない情報があった。
それはこの街がいつ爆撃されるのか…その爆撃から逃れる術を、このパーティーゲストから聞き出さなければならなかった。
それを知ったエリオットは諦めて同意し、最終的にナズはパーティープレゼントにされてしまう…
パーティーとは…口に出すのも悍ましい残虐行為だった。
そのパーティーの様子をスピンクスは撮影し続けた。
部屋の外にはナズの絶叫が響き渡る…
ここまで来て、パーティープレゼントとパーティーゲストというネーミングとパーティーが何なのか理解出来た。
いや、理解したくない…
パーティーはナズが死にそうになる直前、ダレンが隠し持っていた拳銃でパーティーゲストを撃ち殺して終わる。
ナズの手当をし、全員部屋を出る。
エリオットとダレンは残ってパーティーの跡片付けをしているが、エリオットは魂が抜け出た状態。
いくらダレンが語りかけても反応が無い。
すると爆撃音が聞こえて来た。
慌てるダレンはエリオットが拳銃を手にするのに気付いた。
エリオットはダレンに銃口を向ける。
「ものすごく愛してる!」
ダレンが叫び続ける声が響く…
暗転。
ここで終わり。
結局のところ2人が生きているのか死んでいるのか、ご想像にお任せしますという感じです。
とにかく、終始「静」の吉沢亮の顔が小さくてめちゃくちゃキレイでした!
そして、終始ハイテンションな北村匠海の声高っ!!(笑)
という楽観的感想で気持ちを持ち上げて終わっておかないと、しばらく精神的に引きずりそうな耐え難い内容でした。
なかなか1回で理解するのは難しく、もう1回観たいような気もするけれど…あまりにもエグイのでもういいかな?みたいな、なんとも言えない気分です。
観ていても演じていても病みそう…
*** 広告 ***