イグレシア・デ・ラス・カラトラバス(Iglesia de las Calatravas)です。
1670年〜1678年の8年かけて建てられた教会で、カラトラバ騎士団の女子修道会に由来する歴史的建築です。
<カラトラバ騎士団とは>
カラトラバ騎士団(Orden de Calatrava)は、12世紀スペインで設立されたカトリック教会の軍事修道騎士団であり、レコンキスタ(イスラム勢力からの国土回復運動)において重要な役割を果たしました。1164年、カスティーリャ王国の支援を受けて創設され、教皇アレクサンデル3世によって正式に認可されました。
この騎士団は、シトー会の修道規則に従いながらも、戦闘に従事するという特異な性格を持っていました。騎士たちは祈りと戦いを両立させ、信仰に基づく武力でイスラム勢力と戦いました。彼らの本拠地はカラトラバ・ラ・ヌエバという要塞都市で、戦略的にも宗教的にも重要な拠点でした。
騎士団の象徴である「カラトラバ十字」は、赤いギリシャ十字に百合の花をあしらったもので、純潔と献身を表しています。この紋章は後世の芸術やデザインにも影響を与え、現在では名誉的な勲章としての役割を持ち、スペイン王室がその総長を務めています。
近年では、2024年にスペインのゾリータ・デ・ロス・カネス城で騎士団の遺骨が発見され、その中に女性の遺骨が含まれていたことから、女性騎士の存在が注目されました。これは騎士団の歴史に新たな視点をもたらす発見となっています。
Fray Lorenzo de San Nicolásが初期の設計案を作り、Isidro MartínezとGregorio Garroteによって完成しました。
ラテン十字型平面、八角形の塔にドームが載る、バロック様式の建物です。
1995年にスペインの「Bien de Interés Cultural(文化的価値財)」に登録されています。
主祭壇の祭壇画はJosé Benito de Churrigueraによって1720〜1724年に制作されました。
彫刻はPablo González Velázquezによるものです。
金箔を多用した壮麗な装飾が荘厳な雰囲気を醸し出しており、中央には聖母マリア像、周囲には天使や聖人の彫像が配置されています。
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